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技術開発イノベーション担当首席副学長、
ギル・グラノットマイヤーからご挨拶

社会生活や世界市場は混迷し不透明な状況が続いていますが、OISTイノベーターは充実した日々を過ごしています。

ポストコロナの世界を乗り越えるためには 、短期的な課題への対応も重要ですが、科学技術によるイノベーションのような長期的な取り組みは不可欠です。
OISTの未来を確固たるものにするため、私たちは引き続きイノベーションとアントレプレナーシップの推進に取り組んでいく所存です。

このニュースレターではOISTイノベーションに関する取り組みや成果を皆様にお届けします。

  • スポットライトではOISTが誇る革新的な技術、研究、各種プログラムや人材に焦点を当てます。
  • イベントではオンライン開催を含む今後のセミナー、ワークショップ情報をお知らせします。
  • ニュースでは、OISTイノベーター達の国内外での活躍や成果をお伝えします。

まだニュースレターの購読手続きをされていない方は、ぜひこちらからご登録ください。
このニュースレターでは共同研究をはじめOISTとの多岐にわたる連携機会を発信していきます。イベント等を通して、より多くの方が沖縄、そしてOISTを知っていただき、新たなパートナーシップへとつながることを期待しております。
スポットライト:テクノロジー
生体材料を用いた神経組織再生用の3次元神経足場
脊髄損傷や末梢神経損傷を負った患者は世界中で何百万人もおり、生活にさまざまな困難を強いられています。再生医療は損傷した神経の再生を促進し、失った機能を回復させる可能性を持つ一方で、神経細胞の成長に必要な物理的、化学的環境を十分に再現できないことが障壁となっています。マルコ・テレンツィオ准教授率いる研究チームは、最新の2光学リソグラフィーを用いて、生体適合性ある3次元ナノグリッド構造の神経足場の作製に成功しました。この研究成果はMaterial Science and Engineering: C(英語)、Materials Today(英語)に掲載されました。現在、実用化に向けて共同研究・開発相手を募集中です。
 
スポットライト:テクノロジー
プロテオミクス手法によるiPS細胞の神経細胞への
リプログラミング

ザカリ・タウフィック博士率いる研究チームは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を機能的でより密に結合した神経細胞に分化させるために最適な成長因子を特定する画期的なプロテオミクス手法を開発しました。この研究成果はPNAS(英語)に掲載され、iPS細胞を用いた治療法の実用化に向けた大きな一歩となりました。現在、実用化に向けてライセンシングや共同開発者を募集中です。
 
スポットライト:リサーチ
次世代太陽電池材料の弱点克服を目指す
 
ペロブスカイトは結晶シリコンよりもはるかに安価に太陽電池を製造できる材料として注目を集めています。また、エネルギー効率に優れたLEDやX線検出器といった光学電子機器に組み込むことも可能です。しかし、ペロブスカイトは、その安定性と寿命が実用化における大きな課題となっています。今回、ケシャブ・ダニ教授の研究チームはケンブリッジ大学との共同研究で、劣化につながる材料の微小な欠陥を発見するマルチモダール顕微鏡ツールキットを開発しました。大量生産の工程で構造の微調整を行うことにより性能および寿命を向上させることが期待されます。科学誌Nature(英語)にも掲載されたこの研究は、耐久性に優れた商業用ペロブスカイトデバイスの開発における大きな前進と言えるでしょう。
 
スポットライト:プログラム
OISTで成長加速化を遂げるスタートアップ
Watasumi 創設者/CEODavid Simpson
OISTのPOC*プログラムおよびI2スタートアップ・アクセラレーター発のベンチャー企業5社を紹介します。
POC:新技術に基づく新たなコンセプト(概念)の実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証するプログラム。

Watasumi(日本):バイオ技術を活用した産業排水処理装置を提供するスピンオフ・ベンチャー
Sage Sentinel(カナダ/アメリカ):脳科学に基づく転倒防止技術により高齢者とその介護者の生活の質(QOL)の向上を目指すスタートアップ
GenomeMiner(日本):自然界に存在する微生物の遺伝子から新型の農薬や抗生物質、有用な化合物を特定するプラットフォーム/サービスを提供するバイオベンチャー
HerLifeLab(日本):更年期を迎える女性の健康に科学に基づいた統合的アプローチを提供するフェムテック系スタートアップ
KanjuBot(ロシア):独自に開発した高度次世代型AIシステムによって、より自然な会話が可能なチャットボットを開発

KanjuBotSage Sentinel起業までのストーリーを読む
また、2022年度のI2スタートアップ・アクセラレータープログラムに採択されたOsaka Heat CoolとANDAについての記事を読む

なお、OISTI2アクセラレータープログラムは、国内外から有望な起業家を誘致し、実務経験豊かなスタッフによるきめ細かな支援を行ってきたことが高い評価を受け、この度「イノベーションネットアワード2022の理事長賞を受賞しました。

OISTのスタートアップにご興味のある方はぜひご連絡ください。

 
スポットライト:ピープル
OIST-Lifetime Venture Fundを設立
 
日本での起業は今が絶好のチャンスです

OISTはこの度ライフタイムベンチャーズ(LTV)と連携し、50億円規模のファンドを目指してOIST-Lifetime Ventures Fundを設立しました。

東京でのプレスイベントで発表されたこのベンチャーファンドは、ライフタイムベンチャーのスタートアップ創出のための資本とノウハウ、そして世界に肩を並べるOISTの研究を融合し、一丸となって技術を市場に送り出すことを目的としています。

この連携にあたり、OISTのピーター・グルース学長は次のように語っています。「日本で起業するには今が絶好の機会です。日本国内でスタートアップ投資を行うベンチャーキャピタルは過去10年で10倍に増加しています。ライフタイムベンチャーとの連携により、この勢いがさらに加速すると期待しています。OISTが知の拠点としての役割を担い、世界トップレベルの研究と積極的な投資活動の組み合わせによって、イノベーション・エコシステムを生み出す沖縄の真の力が発揮されるでしょう。」
ファンドに興味のある投資家の皆様、そしてこれからベンチャー立ち上げを目指す起業家の方々はぜひ今後のOIST-Lifetime Ventures Fundの活動にご注目ください。

 
スポットライト:パートナーシップ
拡大するOISTの産学連携事業
 
OISTの産学連携、技術移転を担う技術開発イノベーションセンター(TDIC)では今年度に入り、企業、学術機関、金融機関と過去最多となるパートナーシップを締結しました。その一部を紹介します。

  • コランダム・システム・バイオロジーと北野宏明教授(アジャンクト)は、腸内細菌やゲノムなどの網羅的解析を AIとロボットで自動化する「MANTAプロジェクト」を共同で開始しました。
  • NTT宇宙環境エネルギー研究所と御手洗哲司教授は台風の観測・予測解析の共同プロジェクトを開始しました。
  • 沖縄銀行OIST技術の商業化促進を通じて沖縄におけるイノベーション・エコシステムを確立し、沖縄経済の自立的発展への寄与することを目的とした覚書をOISTと締結しました。
  • 沖縄県産業振興公社と沖縄県内のスタートアップ支援とその商業化促進に向けて連携協定を締結しました。
  • JAグループ全国組織8団体からなるイノベーションラボ、一般社団法人AgVenture Labとスタートアップ支援を目的とした連携協定を締結しました

OISTとの共同研究、パートナーシップにご興味のある方はぜひTDICにご連絡ください。

 
INOが会員企業数32社を達成
OISTの教員や研究者と企業とのつながりの構築を目的とし設立された産学連携会員制プログラム、イノベーション・ネットワーク@OISTINOは、発足1年足らずで企業会員数32を達成し、これまで会員企業と研究者とのマッチングも100件以上行ってきました。

OIST研究者と企業との橋渡しをサポートするほか、会員企業限定の科学技術の将来をテーマとしたネットワーキング・イベントを開催しています。

次回の会員限定ネットワーキング・イベントは1117日(木)に沖縄にて開催予定です。ご興味のある方は、ぜひINOへの加入をご検討ください。


 
OIST関連のイベント情報
  • 10月12日~14日 パシフィコ横浜で開催の Bio Japan 2022 に出展
  • 10月22日~24日 Beyond Next Venturesとの共催で世界市場を目指すスタートアップを対象としたブートキャンプ BRAVE Global をOISTで開催
  • JST主催の新技術説明会で行ったOIST研究者のプレゼン動画を公開中
  • 2023年2月1日~3日 東京ビックサイトで開催の nano tech 2023に出展予定

 
OISTイノベーション・メンター/レビューアー募集
  • ディープテック分野において高い専門性と経験を有する方
  • 大学発の技術の製品化やスタートアップ経験のある方
  • 世界が直面する技術的課題の解決に全力で取り組める方
  • 若い世代のイノベーターへのアドバイスを通してコミュニティーへの貢献をしたい方

上記の条件を満たす方、ぜひOISTイノベーション・メンター/レビューアーへの応募をご検討ください。
学内での厳選したマッチングを行ったのち、ご自身の専門性を通してOISTの研究プロジェクトやスタートアップチーム支援を行っていただきます。OISTの研究から画期的技術が生まれる瞬間をともに経験してみませんか。ご興味のある方はぜひ詳細をご覧ください。

 
メディア掲載
  • ペロブスカイト研究を通じた持続可能なグリーンエネルギー開発への貢献が評価を受け、OISTのヤビン・チー教授が2021年度の花王科学賞を受賞しました。OISTウェブサイトの記事を読む
  • ジョナサン・ミラー教授率いる研究室は、低コストで効率的なイカの養殖システムの開発に成功。国内外の様々なメディアで取り上げられました。メディア メディア2
  • I2アクセラレーター・プログラム発のスタートアップ企業であるEF Polymerは、最優秀賞に相当する「環境スタートアップ大臣賞」を受賞しました。また同社は「Earthshot Prize(英語)」にもノミネートされたほか、公益財団法人PwC財団からの助成金も獲得しました。
  • 昨年I2アクセラレーター・プログラムを卒業したGenomeMinerは研究と資金調達において順調な成果をあげています。同プログラム出身のHerLifeLabとともに沖縄銀行より助成金を獲得しました。
  • The Economic Times(英語)およびNewswitchが、コランダム・システム・バイオロジーとの共同研究である「MANTAプロジェクト」を特集しました。
  • ノバルティス・バイオメディカル研究所が主催する「NIBR Global Scholars Program(英語)」の参加資格55校のひとつにOISTが選ばれました。
  • 田中富士枝教授率いる研究チームは、ピルビン酸から有機化合物を作るより安価で環境にやさしいプロセスを開発し、Chemical Processing(英語)に掲載されました。
  • 基礎研究によるアンチエイジング、ゲノム編集、量子計算の実現がもたらす影響について、ピーター・グルース学長のインタビュー記事がジャパンタイムス(英語)に掲載されました。
  • 経済成長の促進に向けた研究者や初期段階のスタートアップへの包括的支援の提供における戦略についてのギル・グラノットマイヤー首席副学長のインタビューが内閣府国際広報誌 KIZUNA(英語)に掲載されました。
  • 柳田充弘教授率いる研究チームのメタボローム解析による老化の研究がesse-senseに掲載されました。
  • 岸田文雄首相が内閣総理大臣に就任後初めてOISTを訪問。学生、研究者、イノベーターとの交流を図りました。
TDICイノベーションニュースレター 002
2022年9月
 
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